修験道
山岳信仰と密教が融合した日本独自の修行道
修験道とは
修験道(しゅげんどう)は、日本古来の山岳信仰と仏教(特に真言密教)が融合して生まれた日本独自の修行道です。山に入り、厳しい修行を通して霊験あらたかな力(験力)を得ることを目指します。
修験道の修行者は「山伏(やまぶし)」と呼ばれ、険しい山々を巡り、滝行や護摩、山中での瞑想など、自然の中での厳しい修行を重ねます。山伏は得た験力をもって、人々の苦しみを取り除き、願いを成就させる祈祷を行ってきました。
修験道の開祖は役行者(えんのぎょうじゃ・役小角)とされ、七世紀ごろに活躍した伝説的な修行者です。役行者は大峯山を中心に山岳修行を行い、修験道の基礎を築いたとされています。
信貴山と修験道
信貴山は古くから山岳信仰の聖地として知られ、修験道とも深い関わりを持っています。聖徳太子が毘沙門天王を感得されたこの霊山は、役行者も修行を行ったと伝えられています。
山岳修行の道場
信貴山は標高437メートルの霊山であり、古来より多くの修行者がこの山に入り、修行を重ねてまいりました。山中には修行の場として使われてきた滝場や行場が点在し、今なお山伏たちの修行が行われています。
柴燈大護摩供
信貴山では毎月、山伏たちによる柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)が厳修されます。屋外に護摩壇を設け、山伏問答、法弓、法剣、法斧の作法を行った後、護摩壇に火を点じ、山伏たちが参拝者の護摩木を炎に投じて祈願する勇壮な行事です。
千手院と修験道
千手院の貫主は、大峯山にて山岳練行を修められており、修験道の伝統を受け継いでおられます。銭亀堂の銭亀善神も、貫主が大峯山での山岳練行瞑想中に霊夢で感得された善神であり、修験道との深い縁を物語っています。
山伏の世界
山伏(やまぶし)は修験道の修行者のことです。「山に伏して修行する者」という意味からその名がつきました。山伏は独特の装束を身にまとい、法螺貝(ほらがい)を吹き鳴らしながら山中を歩きます。
山伏の装束
山伏は頭に頭巾(ときん)をかぶり、結袈裟(ゆいげさ)を首にかけ、篠懸(すずかけ)と呼ばれる上衣を着用します。足元には脚絆(きゃはん)と草鞋(わらじ)を付け、錫杖(しゃくじょう)を手にします。これらの装束にはそれぞれ深い意味が込められており、身につけることで仏と一体になるとされています。
法螺貝
法螺貝は山伏の修行に欠かせない法具です。その音は山中に響きわたり、魔を払い、仲間との合図として使われます。また、法螺貝の音は仏の説法の声であるとされ、修行者はその音を聞くことで心を清めます。